「生きる力」について
発達の困難とは、それぞれの状態や環境などによって、一人ひとりの問題や課題など全く異なります。
「自分の課題を解決する力」とは、まず自分の課題が何なのか、問題となることは何なのか、を自分で見つけることです。
しかし、特別な支援が必要な子どもの場合、自分の課題を見つけ、判断し、行動に繋げることはまだ一人では難しい場合が多いと考えられます。
子どもの問題を解決するためには、養育者や保育者たち周りの大人が、発達について知識と実践力を備えて、子どもたちに代わって問題を見つけ出し、子どもたち自身が他者との関わりの中で行動できる自分への自信が培われる基礎づくりを用意することが重要になります。
(平成8年中央教育審議会答申で提唱された「生きる力」の理念と平成20年中央教育審議会答申「生きる力」の実現より抜粋し、図式化)
音楽を使ったインクルーシブ教育に取り組んでいます。
文部科学省の調査(H24年)の調査によれば、公立小、中学校の通常学級の担任教師が「学習、行動面で著しい困難を示す」と考えている子どもの割合は14.9%とかなりの率にのぼっています。また平成26年5月現在、特別な支援が必要な児童生徒の増加が報告されています。現在、文部科学省では「インクル―シブ教育システム」の仕組みを構築しています。
音楽発達心理士講座では、教科書を使ったインクル―シブな音楽指導法である「コミュニケーションの発達を促す音楽プログラム」を学び、就学前の早い段階から、発達に支援が必要な子どもたちが音楽発達レッスンを受けることによって、ことばとコミュニケーションの発達を促すことを目的としたプログラム「発達心理学を使った音楽あそびメソッド」を用意しています。親子でピアノレッスンと、子育てに活かす心理学セミナーが受けられる「音楽発達心理士®の子育てピアノカレッジ」レッスンを開講しています。
文部科学省のインクルーシブ教育
子どもたちが困っていること | 比率 |
---|---|
学習面か行動面で著しい困難を示す | 6.3% |
学習面で著しい困難を示す | 4.5% |
行動面で著しい困難を示す | 2.9% |
学習面と行動面ともに著しい困難を示す | 1.2% |
【表1】知的発達に遅れはないものの学習面や行動面で著しい困難を示すと担任教師が回答した児童生徒の割合(平成24年12月5日 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課より)
子どもたちが困っていること | 比率 |
---|---|
A:「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」 「推論する」に著しい困難を示す |
4.5% |
B:「不注意」又は「多動性-衝動性」の問題を著しく示す | 2.5% |
C:「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示す | 0.8% |
【表2】知的発達に遅れはないものの学習面や行動面の各領域で著しい困難を示すと担任教師が回答した児童生徒の割合(平成24年12月5日 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課より)
心身の障がいには、発達障がい、知的障がい、肢体不自由など、様々な特性がみられますが、知的発達に遅れがみられない通常学級の子どもたちにも表2の各領域で著しい困難を示している子どもたちの存在が報告されています。
そして現在、文部科学省では「インクル―シブ教育システム」によって、障害のある者とない者が可能な限り共に学ぶ仕組みを構築することを重要課題として掲げています。ここでいう「障害のある者」とは、通常級ではなく支援が必要とされている養護学校、特別支援学校等で学んでいる子どもたちも含んでいます。