「音楽発達心理士Ⓡ」は音楽を楽しみながら心を育む専門家です。音楽で子育て相談・発達支援を行います。

音楽発達研究事業

 

音楽発達研究事業

1.発達の心理的支援における音楽の位置づけを解明する

otowan1音楽と心理学の研究は様々な側面から行われており、「音楽と感情」や「音楽と認知」また「音楽療法」なども多く取り上げられています。

当協会の事業は、コミュニケーション力を育む「音楽あそび」を発達年齢に応じて行うことによって、子どもの音楽表現がどのように変化するのかを観察するとともに、心理的働きを解明する研究に取り組んでいます。

2.学会発表実績

2024年11月17日 日本子育て学会

支援者活動展開部門支援者委員会企画シンポジウム

予測困難な将来を生き抜く子どもたちに、育んで欲しい力
~ 私たちの実践から育まれるものは・・・ ? ~

保育士インタビューから見る音楽発達心理士🄬の音遊びの役割
NICU 卒業児 0歳からの心と身体の発達の質的検討

【話題提供者】関野 真里子(一般社団法人音楽発達サポート協会 代表理事)

<発表要旨>

はじめに
一般社団法人音楽発達サポート協会は、親子コンサートの開催や、保育や音楽教育に関わる専門家向け(幼稚園、保育園、小学校教諭、ピアノ・リトミック講師など)に、音楽発達心理学講座を開講している。活動はすべてインクルーシブ教育で「障がいの有無に関わらず、質の高い音楽発達プログラムを楽しむこと」を目標としている。

本研究の背景と目的
当協会では音楽発達心理士🄬(当協会認定)が、音楽を通して親子のコミュニケーション能力や自己表現力や共感力など、いわゆる非認知的能力を高めるプログラムを行っている。普通のピアノ教室から始まった活動ではあったが、障がいを持つピアノの生徒さんが増えてきたことがきっかけとなり、障がいの有無に関わらず個々の発達の状況に合わせた指導を行うため研究と実践を重ねてきた。
本研究で取り上げる女児は、NICU 卒業の極低出生体重児であり、出生時は目立つ異常は見られなかったものの、学齢期以降に見られる、低出生体重児特有の発達の障がいの可能性について医師から説明があった。NICU 卒業後2歳になる頃まで、同年代の子どもと比べて言葉が遅く、反応が薄い傾向であったことに不安を抱えていた母親から、早い時期から音楽に触れさせたいと音楽発達心理士🄬に相談があり、1歳から親子対象のオンライングループレッスンを新規開講することになる。本研究の目的は、担任保育士へのインタビューを通して、音楽発達心理士🄬の音遊びレッスンが果たした役割を検討し報告することである。

研究の方法
対象:対象児は、母親の妊娠高血圧症候群の発症に伴い、予定日より2か月早く(31週4日)1153g(極低出生体重児)で出生した女児。出生後57 日まで大学病院のNICUに入院し、2775gで退院。
方法:生後 6 か月から入園した当時、0 歳児クラス担任だった保育士に対して、音楽発達心理士🄬がインタビューを行った記録と、1 歳10 か月から参加した「親子音遊びレッスン」の指導記録を質的に分析する。

結果と考察
保育士からは「入園当時、身体が小さく運動機能の発達が遅かったことと、10 か月ころまで寝返りができず、食が細かった印象はあったが、音楽を聴いて手を叩いたり、身体を揺らしてよく反応する様子が見られ、その他の運動機能については問題がなかった」ことが報告された。
音楽発達心理士🄬の音遊びレッスンは、親子で音を感じて、リズムに合わせて身体を動かしながら、自己表現の楽しさを味わえるプログラムである。子どもにとって五感で感じる経験は大切なコミュニケーションの土台を作るきっかけとなるとともに、音楽は自分の気持ちを伝えるための有効な手段となり、早い段階で社会性を育めるようになった事例も共有しながら、乳幼児期の音楽的発達について議論を深めたい。

参考文献
関野麻里子(2023)ピアノ遊びで子どもの心を育む・音楽発達アプローチ
沖潮満里子・登藤直弥・金重利典(2022)NICU卒業生の発達の予後-新版K式発達検査2001にもとづく定量的検討-子育て研究第12 巻,16-25.
小西行郎・小西薫・志村洋子(2017)赤ちゃん学で理解する 乳幼児の発達と保育第2巻・運動・遊び・音楽 中央法規出版株式会社

3.乳幼児期の子どもと音楽的発達の主なテーマ

  • 「1歳児と母と指導者による音楽的な活動-母親と指導者の働きかけによる音楽的な発達の変化―」の研究

1歳児のコミュニケーション能力の発達と音楽体験のプロセスを観察するために、創造的音楽活動体験の場を設定し、子どもの発声と楽器による応答の変化の分析を行った。

  • 「1歳半児と親が音楽体験を楽しみ、コミュニケーション力を育むコンサートプログラム作成」の研究

1歳ころの子どもたちは人や物に興味を持つとともに言葉の発達が見られる時期である。この時期に良質な音楽体験を行い「音楽あそび」を通して子どもの思考をも促すプログラム作成に関する研究を行っている。

4.音楽と心身医学に関する研究の主なテーマ

  • 「音楽を使った連想実験と気分調査の実験結果と、P-Fスタディ、エゴグラムの結果との比較」の研究

多くの人は音楽を聴くことによってさまざまな気分を感じイメージを浮かばせることに着目し、複数の質問紙を使って反応傾向の違いを比較検討した。

  • 「CASK遺伝子異常の子どもの音楽的発達」に関する研究

親子の対話および音楽的発達プロセスを縦断的に分析するために、母親の言葉かけ、歌いかけを交流分析理論を使った質的研究に取り組んでいる。

5.音楽子育て相談による質的研究の主なテーマ

  • 「親子のピアノグループレッスンにおける母親の子どもに対する気持ちの変化」の変化に関する研究

子どもの発達に合わせた「手づくり音楽プログラム」開発にも取り組んでいます。

子どもの認知的発達の課題はそれぞれ異なります。たとえば見え方の問題など認知に困難を抱える子どもたちは、楽譜を見ながら演奏することが難しい場合があります。視覚に問題があるわけではないのですが、何らかの認知の問題がみられる場合があります。
楽譜をどのように認識しているのか本人も周りの大人も、子どもが何に困っているのか判断がつかないのですが、楽譜をその子の問題に合わせた工夫をすることで、簡単に弾けるようになることがあります。
音楽発達研究事業では、子どもの状態に応じた「手づくり音楽プログラム」を作ります。音楽プログラムによって作成した「個別楽譜」は音楽子育て事業で認定教室やイベントテキストとして使っています。

6.養護学校高等部 参加型コンサート&音楽あそびワークショップ「音楽で言語能力やコミュニケーション能力を促す」活動報告

企画および実施内容

授業見学1回(担任教諭との聞き取り含む)

音楽授業見学1回(プログラム立案打ち合わせ含む)

 「音楽あそび」60分+アイリッシュハープコンサート30分

プログラム内容

  1. メロディ―楽器でコミュニケーション音あそび
  2. 絵本とハンドドラムでリズムセッション
  3. ピアノでリズム連弾あそびを体験しよう「チャールダッシュ」
  4. メロディー楽器で即興創作演奏「コール&レスポンス」
  5. 音楽を聴こう「アイリッシュハープの演奏」

音楽あそび参加人数

高校1年生10名+担任教諭2名

コンサート参加人数

高校1年生、2年生計25名+教諭6名

担任教諭からの感想

導入から今までに取り組んだことのないような活動が体験でき、新鮮に感じている様子だった。

反面やることへの理解がようやくでき、気持ちがのりはじめたころに活動が次から次へと移ってしまっているときもあり、プログラムとして、もっと時間をとって取り組んだり、継続した取り組みを計画できたりすると効果がよりあるだろうと思われる。

また自分のしたことや表現したことを客観的に捉えたり、評価をうける場面を設定できると、本人たちにとって達成感や、自信につながっていくように思った。

お忙しい中、ご来校いただき、プログラムと演奏会の実施ありがとうございました。

今回教員として気づくこと、学ぶことの多い経験させてもらいました。今後の生徒たちへの指導に活かしたいと思います。

参加生徒の親からの感想

  • 「お子さんは、今日の活動に参加されて、どのような様子でお話されましたか?

にこにこしながら、2人組で、リズムで応えたことや、絵本に合わせてタンバリンを鳴らしたことを話していました。アイリッシュハープは、音が心地よくて、子守歌のようだったと、言っていました。

  • 音楽活動に対してのご興味、ご要望等がありましたらご記入ください。

また、教室に来ていただけたら嬉しいです。ありがとうございました。

お電話でのお問い合わせはこちら TEL 0466-65-0987 受付時間 10:00 - 17:00 [ 月~金 ]

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